がんと生きる犬ごはんの教科書

はじめに

こんなにも医学の進歩がめざましいにも拘らず人間も犬も『がん』を患う人数や頭数は右肩上がり。
人に於いては『がん』になる事を前提に保険入ったりもします。私の父も癌でした。

そしてこれまで看取った６匹の犬たちの内３匹が癌を患いました。
珍しくもなくごくごく身近な病気です。ですが『がん』だと宣告されると良性であっても死を意識してしまいます。
何をしてあげたらいいだろう、助けたい、前のめりに色んな情報を集め治療方法を選択し良好な結果を期待して一喜一憂の日々が続きます。
いろんなサプリメントを取り入れたり、いいと言われる療法があれば西へ東へ、今や『がん』に対する治療法も緩和ケアも選択肢はたくさんあります。

どんな選択をしたとしても犬たちは常にポジティブで飼い主さんを思いやり、期待に応えようと一途に頑張ってくれます。

そんな頑張っている飼い主さんと犬たちへ、頑張ってごはんを手作りするのではなく、いかに簡単に手を抜きつつそれでも毎日のごはんがサポートの一つになれる一冊を目指しました。

ただ混ぜるだけだったりレシピとは言い難いものもあります。今あるがんが居心地よく大人しくしてくれますように。痛みに耐える毎日ではなく、美味しく食べ、気持ちよく眠れ、楽しくお散歩に行ける。

最期の時まで穏やかな日常でありますように。心から願いを込めて。  

誠文堂新光社